「志木市役所から、相続人の代表者を決める書類が届いた」
「亡くなった親の固定資産税について、私に通知が来た」
「代表者になると、財産や借金を全部引き受けることになるの?」
ご家族やご親族が亡くなったあと、市役所から相続に関係する書類が届き、どう対応すればよいか迷うことがあります。疎遠だった兄弟姉妹や叔父・叔母について、突然連絡を受ける場合もあるでしょう。
まず確認したいのは、その書類が何のために送られてきたのかということです。税金に関する通知を受け取る代表者の届出と、誰が遺産を相続するかを決める手続きは、役割が違います。
このページでは、志木市から相続人代表者などの書類が届いたときに、確認したいことや相談先をご案内します。
志木市の「相続人代表指定届出」は何のための手続き?
志木市の「死亡届出後の諸手続案内」では、市税を納めていた方が亡くなった場合の手続きとして、「相続人代表指定届出」が案内されています。
対象として挙げられているのは、固定資産税・都市計画税、市県民税の普通徴収、軽自動車税(種別割)、国民健康保険税です。窓口は、市役所2階5番の収納管理課となっています。
相続人代表者は、亡くなった方に関する税金の通知などを受け取る窓口となる人です。
ただし、「代表者」という言葉が入っていても、税金に関する届出なのか、保険料の還付などに関する届出なのかで内容が異なります。届いた書類の名称と担当課を確認しましょう。
代表者になると、一人で全部相続することになる?
代表者の届出だけで、遺産の分け方は決まりません
税金に関する相続人代表者になったことだけで、その人がすべての預貯金や不動産を取得するわけではありません。他の相続人の権利がなくなるわけでもありません。
代表者の届出と、遺産の分け方を決めること、不動産の相続登記をすることは、それぞれ別の手続きです。
また、代表者になっただけで、他の相続人に代わって自由に預金を解約したり、不動産を売却したりできるわけでもありません。
通知を受け取る役割と、税金を負担する義務は分けて確認します
自分宛てに通知が届くと、「私が一人で全部払わなければならないのか」と心配になるかもしれません。
ただし、通知の受取人と、法律上の納税義務の範囲は同じ問題ではありません。亡くなった方の未納税金なのか、その後の年度の固定資産税なのかによっても、確認する内容が変わります。
「代表者だからすべて自分の負担」「代表者でなければ税金には関係がない」と決めつけず、対象となる税金、年度、納税義務の扱いを担当課に確認してください。
書類が届いたら、提出前に確認したい4つのこと
1.誰について、何の回答を求められているか
亡くなった方の氏名、対象となる税金、不動産の所在地などを確認します。
疎遠な親族についての通知で事情が分からない場合は、担当課に「どのような経緯で私に送られてきたのか」「何を調べて回答する必要があるのか」と尋ねましょう。
自分が相続人に当たるのか分からない場合も、その事情を伝えてください。
2.誰を代表者にするか、他の相続人と確認する
代表者を決める際は、通知を受け取り、他の相続人に内容を伝えられるかを考えます。
長男だから、近くに住んでいるからという理由だけで、一人にすべてを任せる必要はありません。通知を共有する方法や、支払いが必要な場合の相談方法を決めておくと、その後の行き違いを減らせます。
他の相続人が分からない、連絡が取れないなどの事情があるときは、推測で記入せず、担当課に相談しましょう。
3.提出期限・記入方法・添付書類を確認する
同封された案内を見て、提出期限や提出方法、署名などの必要事項を確認します。
志木市の公式案内では、相続人代表指定届出について速やかな手続きが案内されています。届いた書類に具体的な期限がある場合は、その日付も確認してください。
相続関係の確認に時間がかかるなど、すぐに提出できない場合は、そのままにせず、担当課へ事情を伝えましょう。
提出する書類はコピーや写真を残し、届いた通知と一緒に保管しておくと、後の確認に役立ちます。
4.相続するかどうか迷う事情がないか
借金や税金の滞納があるかもしれない、管理できない空き家があるなど、相続そのものに不安がある場合は、その点も早めに整理する必要があります。
書類の記入方法だけを確認して終わらせず、財産・負債の状況や、相続放棄を検討する必要があるかも確認しましょう。
市役所への回答期限と、相続放棄の期限は別に考える必要があります。
固定資産税の書類が届いた場合に確認したいこと
どの土地・建物についての通知か確認する
固定資産税に関する書類が届いた場合は、対象となっている土地・建物を確認します。
亡くなった方の自宅とは限らず、貸していた家、共有している土地、以前の相続で取得した不動産などが含まれていることも考えられます。
届いた資料で分からない場合は、担当課に確認し、必要に応じて名寄帳や登記事項証明書などで整理していきます。
代表者の届出だけでは、登記名義は変わりません
市役所に代表者を届け出ても、登記された土地・建物の名義が自動的に相続人へ変わるわけではありません。
不動産の相続登記は、法務局で別に行います。税金の通知が自分宛てに届くようになったことと、登記が済んだことを混同しないようにしましょう。
未登記の建物がある場合は、別の届出も確認する
志木市では、亡くなった方が未登記の建物を所有していた場合、「未登記家屋名義変更届」が案内されています。担当は課税課です。
登記のある建物と未登記の建物では、必要な対応が異なります。古い家などで登記の状況が分からない場合は、代表者の届出だけで終わらせず、建物の状況も確認してください。
相続放棄を考えているときは、どうすればいい?
「代表者になりません」と伝えるだけでは相続放棄になりません
相続人代表者になることを断ることと、相続放棄をすることは別です。
相続放棄には、家庭裁判所での手続きが必要です。原則として、亡くなったことと、それによって自分が相続人となったことを知ったときから3か月以内に申述します。
財産を調査しても判断に必要な資料が得られない場合には、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てる制度もあります。
市役所からの通知によって、初めて自分が相続人になったと知る場合もあります。届いた日が分かるよう、通知書と封筒を保管しておきましょう。
志木市の収納管理課への連絡と、専門家への相談を進めます
志木市の公式案内では、相続放棄をする際は、その旨を収納管理課へ連絡するよう案内されています。
相続放棄を検討している場合は、市へ状況を伝えるとともに、弁護士や司法書士に早めに相談してください。
書類への記入・提出だけでなく、故人の預金から税金を支払うことや、家財・不動産を処分することについても、具体的な事情に沿って確認する必要があります。
すでに代表者の書類を提出している場合も、それだけで相続放棄ができる・できないと決めつけず、提出した内容や、その後に行ったことを伝えて相談しましょう。
疎遠な兄弟姉妹・叔父・叔母について書類が届いた場合
長年付き合いがなかった親族について、突然、相続関係の書類が届くことがあります。
この場合に必要なのは、書類を返送することだけではありません。自分がどのような関係で相続人になったのか、他に誰が相続人なのか、どのような財産や負債があるのかを確認することが大切です。
特に、不動産がある場合は、固定資産税の金額だけでは、売却の見込みや管理の負担までは分かりません。
空き家の傷み具合、残された家財、庭木の越境、近隣への影響なども確認し、借金・滞納の調査と併せて状況を整理しましょう。
「家があるから相続した方がよい」「古い家だから価値がない」と決めつけず、確認できた情報を基に判断することが大切です。
志木市のどこに問い合わせればいい?
届いた書類の記入方法や提出先については、まず、その書類に記載された担当課へ問い合わせてください。
市税に関する相続人代表指定届出は、収納管理課が窓口です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 担当 | 志木市役所 収納管理課 |
| 窓口 | 市役所2階5番 |
| 電話 | 048-456-5368(収納管理グループ) |
| 所在地 | 埼玉県志木市中宗岡1丁目1番1号 |
書類に別の電話番号や担当者が記載されている場合は、その案内に従ってください。
なお、志木市にお住まいでも、地方の実家などについて別の自治体から通知が届くことがあります。その場合は、通知を送った自治体に確認します。
死亡後の市役所手続きをまとめて確認したい方は、志木市の公式案内もご覧ください。
よくあるご質問
相続人代表者は長男がなるものですか?
長男という理由だけで、自動的に代表者になるわけではありません。通知を受け取り、他の相続人と情報を共有できる方を候補として、届出に必要な手続きを担当課へ確認しましょう。
遺産分割が終わっていなくても対応が必要ですか?
遺産の分け方が決まっていなくても、市税に関する届出が必要になる場合があります。「話し合いが終わってから」と考えて放置せず、現在の状況を担当課へ伝えてください。
代表者を届け出ると、他の相続手続きも全部任されますか?
税金に関する代表者の届出だけで、銀行や不動産などの相続手続きをすべて引き受けることになるわけではありません。誰が何を担当するかは、相続人同士で別に確認しましょう。
他の相続人と連絡が取れない場合はどうすればいいですか?
連絡が取れない事情を担当課へ伝え、届出の進め方を確認してください。相続手続き全体を進めるうえで相続人の調査が必要な場合は、戸籍などの確認から整理します。
書類の書き方だけなら、市役所で教えてもらえますか?
書類の記入方法や必要な添付書類は、担当課へ確認できます。一方、相続人が分からない、財産や負債を調べたい、相続放棄を考えている場合には、内容に応じた専門家への相談も必要になります。
届いた書類をきっかけに、相続の状況を整理しませんか
アレンジライフ行政書士事務所では、志木市にお住まいの方から、相続人の調査、財産の確認、必要な書類や手続きについてのご相談をお受けしています。
「市役所から書類が届いたけれど、相続のことは何も分からない」
「親族の代表として動くことになったが、自分だけでは進められない」
そのような場合は、届いた書類をお持ちください。現在の状況を確認し、次に何を調べ、どの手続きを進めるかを一緒に整理します。
不動産がある場合は、株式会社アレンジライフと連携し、相続後の管理や売却についてもご相談いただけます。相続登記は司法書士、税務は税理士、争いや相続放棄の判断が必要な場合は弁護士等の専門家につなぎます。
書類がすべてそろっていなくても、分かる範囲の資料からご相談いただけます。
執筆:アレンジライフ行政書士事務所 行政書士 正木隆雄
制度・窓口情報確認:2026年10月
