相続手続きというと、ひとまとめに考えがちですが、
実際には財産の種類によって、必要な手続きや注意点が違います。
預貯金は金融機関ごとの手続きが必要ですし、
不動産は名義変更だけでなく、誰が引き継ぐか、売るか残すかも考えなければなりません。
株式や生命保険、借金がある場合も、それぞれ進め方が変わります。
このページでは、
相続財産ごとに必要になる手続きの違いを、
はじめて相続に向き合う方にも分かりやすく整理してご説明します。
著者:行政書士 正木隆雄
まず知っておきたいこと|相続手続きは財産ごとに違います
相続では、まず相続人を確定し、財産の全体像を把握したうえで、
どの財産について、どの手続きが必要なのかを整理していきます。
同じ「相続手続き」でも、たとえば次のような違いがあります。
・預貯金
金融機関ごとの所定書類が必要になります
・不動産
相続登記だけでなく、遺産分割の進め方が重要になります
・株式、証券
証券会社ごとに相続手続きの流れが異なります
・生命保険
受取人の指定によって、遺産分割の対象になるかが変わります
・借金や未払い金
相続放棄や限定承認を検討すべきことがあります
相続手続きが進まない原因のひとつは、
「何を先にやればよいのか分からない」ことです。
財産ごとに整理して考えると、全体が見えやすくなります。
預貯金の相続手続き
銀行預金やゆうちょ、信用金庫などの預貯金は、
相続手続きの対象としてもっとも多い財産です。
一般的には、次のような書類が必要になります。
・被相続人の出生から死亡までの戸籍
・相続人の現在戸籍
・相続人の本人確認書類
・遺産分割協議書または遺言書
・印鑑証明書
・各金融機関所定の相続届
注意したいのは、金融機関によって必要書類や書式が少しずつ違うことです。
同じ戸籍一式を何度も使うことになるため、
最初の段階で不足なく集めておくことが大切です。
また、預貯金は不動産より簡単に見えても、
相続人の一人と疎遠で印鑑証明書が集まらない、
遺産分割協議書の内容が不十分、
口座が複数あって管理しきれない、
といった理由で止まりやすいことがあります。
不動産の相続手続き
不動産がある相続では、
単に名義変更すれば終わりというわけではありません。
まず確認したいのは次の点です。
・どの不動産が相続財産に含まれているか
・名義が誰になっているか
・誰が引き継ぐのか
・売却するのか、残すのか
・共有名義にするのか、それとも避けるのか
不動産の相続で必要になりやすい書類は、たとえば次のとおりです。
・登記事項証明書
・固定資産評価証明書
・遺産分割協議書または遺言書
・被相続人の戸籍一式
・相続人の戸籍、住民票など
不動産がある相続で話がまとまりにくいのは、
不動産は預貯金のようにそのまま均等に分けにくいからです。
特に実家が一つしかない場合は、
・誰かが住み続けるのか
・売却して分けるのか
・一人が取得して代償金を払うのか
・共有にするのか
という判断が必要になります。
このため、不動産相続では
相続登記の手続きだけでなく、
遺産分割の考え方そのものが重要になります。
株式・証券の相続手続き
上場株式や投資信託、証券口座内の資産がある場合は、
銀行とは別に、証券会社ごとの相続手続きが必要になります。
一般的には、
・戸籍一式
・相続人確認書類
・遺産分割協議書または遺言書
・証券会社所定の届出書
などが必要になります。
注意点としては、
証券会社によって提出書類や進め方が違うこと、
すぐに換金するのか、そのまま引き継ぐのかで考え方が変わることです。
また、評価額は日々変動するため、
遺産分割の話し合いでは、
いつ時点の価格を前提に考えるかが問題になることもあります。
生命保険金の確認
生命保険金は、相続の中でも誤解が多い項目です。
生命保険金は、必ずしも遺産分割の対象になるとは限りません。
受取人が指定されている場合は、
その受取人の固有の財産として扱われることが多く、
相続財産とは別に考える必要があります。
そのため、
生命保険があるかどうか、
誰が受取人になっているか、
保険会社への請求手続きをどう進めるか、
を早めに確認することが大切です。
相続財産の一覧を作るときに、
預貯金や不動産と生命保険を同じ感覚で並べてしまうと、
後で整理が難しくなることがあります。
借金や未払い金がある場合
相続では、プラスの財産だけでなく、
借金や未払い金などのマイナスの財産も引き継ぐ可能性があります。
たとえば、
・借入金
・カードローン
・未払いの税金
・医療費
・公共料金
・滞納家賃
・保証債務
などです。
こうした負債がある場合は、
相続放棄や限定承認を検討する必要が出てくることがあります。
特に注意したいのは、
相続放棄や限定承認には、
原則として相続開始を知ったときから3か月以内という判断期限があることです。
財産調査をしないまま放置すると、
後で借金が見つかって困ることがあります。
預金があるかだけでなく、負債がないかも含めて全体を見ておくことが大切です。
自動車がある場合の手続き
自動車がある場合は、
車検証上の名義確認と名義変更手続きが必要になります。
必要になる書類は状況により異なりますが、
一般的には、
・戸籍一式
・遺産分割協議書または遺言書
・相続人の印鑑証明書
・車検証
・自動車の登録に必要な書類
などが必要になります。
自動車は見落とされにくい財産ですが、
不動産ほど重く見られない分、
手続きが後回しになりやすい財産でもあります。
財産が複数ある場合は、全体を見て順番を決めることが大切です
実際の相続では、
預貯金だけ、不動産だけ、ということは少なく、
複数の財産が重なっていることが多いです。
そのため、
財産ごとの手続きをバラバラに考えるのではなく、
・相続人の確定
・財産の一覧化
・遺言の有無の確認
・遺産分割が必要かどうか
・各財産ごとの手続き
という順に整理していくと進めやすくなります。
特に不動産がある相続では、
預貯金の解約だけを先に進めても、
不動産の分け方で全体が止まることがあります。
こんな方は早めの相談がおすすめです
・財産が複数あって整理できない
・不動産をどう分けるか決まらない
・預貯金や証券の手続き先が多い
・生命保険が相続財産に入るのか分からない
・借金があるかもしれず不安
・相続人の一人と疎遠で話し合いが進まない
このような場合は、
財産ごとの手続きを別々に考えるより、
相続全体の流れを整理したうえで進めた方がスムーズです。
まとめ|財産ごとに違うからこそ、全体整理が大切です
相続手続きは、財産の種類によって進め方が違います。
預貯金は金融機関ごとの手続き、
不動産は名義変更と分け方の検討、
株式は証券会社ごとの届出、
生命保険は受取人確認、
借金は相続放棄や限定承認の検討が必要になることがあります。
そのため、
相続では「何の財産があるのか」を最初に整理し、
財産ごとに必要な手続きを順番に進めることが大切です。
どこから手をつければよいか分からない場合は、
相続人の確認、財産の整理、遺産分割の考え方まで、
全体を見ながら進めると分かりやすくなります。
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アレンジライフ行政書士事務所では、
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特に、
預貯金だけでなく不動産がある相続、
財産が複数あって進め方が分からない相続では、
最初に全体像を整理しておくことが大切です。
まずはお気軽にご相談ください。
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