遺産分割協議とは?進め方・期限・不動産がある相続の注意点を解説

著者:行政書士 正木隆雄

 相続が発生したとき、
「遺産分割協議は必ず必要なのか」
「何を話し合えばいいのか」
「実家がある場合はどう分ければいいのか」
と悩む方は少なくありません。

遺言書がない相続では、預貯金、不動産、株式などの財産を、相続人全員でどう分けるかを話し合う必要が出てきます。
これが遺産分割協議です。

特に、不動産がある相続では、預貯金のようにそのまま均等に分けられないため、話し合いが長引きやすくなります。

このページでは、遺産分割協議の基本、期限の考え方、遺産分割協議書が必要になる場面、不動産がある相続で注意したい点をわかりやすくご説明します。

著者:行政書士 正木隆雄 

遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、亡くなった方の財産を、相続人全員でどのように分けるかを話し合うことです。

遺言書がない場合、相続財産は原則として相続人全員の共有状態になります。
そのままでもよいように見えますが、共有のままだと管理や処分がしづらく、後のトラブルにつながりやすくなります。

そのため、誰が何を取得するのかを決め、必要に応じて遺産分割協議書を作成します。
不動産の相続登記や、法定相続分と異なる形での手続きでは、協議書が必要になることが多いです。


遺産分割協議はいつ必要になるのか

次のような場合は、遺産分割協議が必要になることが多いです。

  • 遺言書がない
  • 相続人が複数いる
  • 不動産や預貯金を誰が取得するか決める必要がある
  • 銀行や証券会社で相続手続きをする
  • 不動産の相続登記をする

逆に、遺言書で取得者が明確に決まっている場合などは、遺産分割協議が不要なこともあります。


遺産分割協議に期限はあるのか

法律上、遺産分割協議そのものに一律の期限があるわけではありません。
ただし、実務上は早めに進める必要があります。

相続税の申告が必要になる場合は、申告と納税が死亡日から10ヶ月という期限があります。それまでに遺産分割協議が終了していないと、使えなくなる相続税控除がありますので、ぜひともこれまでには遺産分割協議書を作成したいところです。

また、2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります。
また、2023年4月1日施行の改正により、相続開始から10年を経過した後の遺産分割では、原則として特別受益や寄与分を主張できなくなりました。

つまり、
「期限がないから後回しでよい」ではなく、特に相続税の申告がある、不動産がある相続では早めに進めた方がよい
ということです。


遺産分割協議でよく揉めるポイント

不動産が一つしかない

実家など不動産が一つしかない場合、均等に分けにくいため話し合いが止まりやすくなります。

相続人によって希望が違う

売りたい人、住み続けたい人、現金で受け取りたい人で意見が分かれることがあります。

相続人の一人と疎遠

書類のやり取りや押印が進まず、協議そのものがまとまらないことがあります。

財産の全体像が分からない

預貯金、不動産、株式、借入金などを整理しないまま話し合うと、かえって揉めやすくなります。


不動産がある相続で特に注意したいこと

不動産がある相続では、遺産分割協議の難しさが一気に上がります。

たとえば、

  • 実家を誰が取得するのか
  • 売却して分けるのか
  • 誰か一人が取得して代償金を払うのか
  • 共有名義にするのか

を決める必要があります。

ただ、共有名義は後の売却や管理を難しくすることがあり、安易に選ばない方がよい場合もあります。
相続不動産では、現物分割・代償分割・換価分割のどれが現実的かを整理することが大切です。


遺産分割協議書はどんなときに必要か

遺産分割協議書は、相続人全員で合意した内容を書面にしたものです。

特に必要になりやすいのは次の場面です。

  • 不動産の相続登記
  • 預貯金の解約や名義変更
  • 株式や証券口座の手続き
  • 相続人が複数いて、法定相続分と違う分け方をする場合

後のトラブル防止のためにも、口頭だけで済ませず、書面化しておくことが大切です。


未成年者や認知症の相続人がいる場合

相続人の中に未成年者がいる場合、親権者が代理するのが原則ですが、親権者自身も相続人なら利益相反になるため、家庭裁判所で特別代理人の選任が必要になることがあります。
また、認知症などで判断能力がない方は、自分で遺産分割協議に参加できず、成年後見人の選任が必要になることがあります。こうした場合、通常の相続より手続きが重くなりやすいです。


こんな場合は早めに相談した方がよいです

  • 相続人が多く、話し合いがまとまりそうにない
  • 実家や土地の分け方で困っている
  • 相続人の一人と疎遠で連絡しにくい
  • 未成年者や認知症の相続人がいる
  • 遺産分割協議書をどう作ればよいか分からない

まとめ

遺産分割協議は、相続人全員で相続財産の分け方を決める大切な手続きです。
特に不動産がある相続では、単に「平等に分ける」だけでは済まず、実家を残すのか、売るのか、共有にするのかまで考える必要があります。

相続税の申告、相続登記の3年義務や、10年経過後の特別受益・寄与分の制限もあるため、後回しにしすぎるのはおすすめできません。
迷ったときは、相続人、財産、不動産の状況を整理するところから始めるのが大切です。

遺産分割とは 

 故人の財産は相続人が引き継ぐことになりますが、遺言書が無い場合には、原則として相続人全員が共有することになります(民法898条)。共有のままでもいいのですが、管理や処分が面倒ですし、共有者が死亡すると更に共有者が増えるなどトラブルの原因となります。
 遺産分割とは、相続開始により共有状態となっていた権利関係を、単独所有にするために相続人全員で話し合い、各相続人における具体的な財産の取得分を決める作業です(民法907条1項)。
 遺産分割協議の方式は決まりはありませんが、合意内容を明確にし、後日の紛争を避けるために、合意内容を書面にして署名と実印で捺印を行うことが通常です。これを遺産分割協議書といいます。法定相続分とは異なる形で相続税の申告をする場合や、不動産の相続登記申請をする際に必要となります。

▶相続手続きの流れと必要な準備を知りたい方はこちらをご覧ください


▼ 和光市・朝霞市・新座市・志木市で相続にお困りの方へ

相続や不動産の手続きは、状況によって必要な対応が大きく変わります。

当事務所では各市ごとに、よくあるお悩みと対応の流れをまとめています。

【お住まいの地域の相談ページを見る】

▶ 和光市の相続サポートはこちら
▶ 朝霞市の相続サポートはこちら
▶ 志木市の相続サポートはこちら
▶ 新座市の相続サポートはこちら