「入院するとき、緊急連絡先を頼める人がいない」「亡くなった後の手続きを誰にお願いすればよいのか」。
こうした不安に対応するため、社会福祉法等の改正による支援体制づくりが進んでいます。2026年10月9日の厚生労働省セミナー資料から、知っておきたいポイントを整理します。
相談を受ける仕組みと、実際に支援する事業
今回の改正には、大きく二つの柱があります。
一つは、地域包括支援センターなどが相談を受け、必要な支援につなぐ体制の整備です。市町村を中心に、介護・障害・生活困窮などの相談機関が連携し、地域全体で対応することが求められています。mhlw.go.jp
もう一つは、日常生活から入院・入所、死後の手続きまでを支える「福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業」です。相談窓口がすべての実務を引き受けるという意味ではなく、相談とサービス提供の役割を分けて考える必要があります。
新しい事業で想定されている支援
資料では、頼れる身寄りがいない高齢者等や、判断能力が不十分な人を対象に、次の支援が示されています。
| 支援の種類 | 資料に示された内容・例 |
|---|---|
| 日常生活支援 | 福祉サービスの利用援助、日常的な金銭管理、書類等の預かり |
| 入院・入所等の手続支援 | 入退院等の手続き、緊急連絡先の提供、費用の支払代行 |
| 死後事務支援 | 葬儀・納骨・家財処分の契約手続支援、行政への届出 |
一定の資力要件に該当する人には、無料または低額で提供する仕組みです。ただし、具体的な料金や利用条件、判断能力が低下した人との契約の扱いなどは、今後のガイドライン等で整理されます。葬儀代などの実費まで一律に無料になると受け取らないよう、注意が必要です。mhlw.go.jp
開始時期は、制度によって異なります
新しい利用援助事業は、法律の公布後2年以内に政令で定める日に施行されます。
一方、成年後見制度や権利擁護事業の利用を支える「地域権利擁護相談支援センター」に関する規定は、2027年4月1日の施行に向けて準備が進められています。市町村はセンターを設置でき、複数の市町村による広域設置も選択肢とされています。制度全体が同じ日に始まるわけではありません。mhlw.go.jp
朝霞市でも、地域の準備状況を確認することが大切
国の制度が整っても、各地域で誰がサービスを提供するか、どのような支援が利用できるかは、地域での準備と確認が必要です。
今回の資料だけでは、朝霞市社協が新事業をいつ開始し、どの料金で提供するかまでは分かりません。高齢者への説明では、国の制度改正と、朝霞市で実際に利用できるサービスを区別して伝えることが大切です。
終活勉強会では、緊急連絡先、入院時の手続き、死後の希望などを少しずつ整理し、現在の相談窓口につながる準備ができます。二層協議体でも、住民が困っていることを市・地域包括支援センター・社協に共有し、地域に必要な支援を考える材料にしていきたいと思います。
資料確認:2026年10月12日
執筆:行政書士 正木隆雄
参考資料:厚生労働省「第188回市町村セミナー」
