相続手続き№6 遺産を分ける手続き(相続登記、銀行手続き、自動車)

遺産分割協議が整い、遺産分割協議書の作成が終わるといよいよ実際に各相続人の名義にする手続です。

不動産の名義変更 相続登記

 相続した土地・建物について不動産登記簿の名義変更をする手続が必要です。名義を変更するには不動産の所在地を管轄する法務局に申請する必要があります。
 令和6年4月1日から相続登記を義務化する法律が施行されます。施行後は不動産を相続したことを知ったときから3年以内に相続登記を申請しなければならず、正当な理由なく登記しなかったときは10万円以下の過料が科せられる場合があります。

相続登記の費用

複数の相続人がいる相続の相続登記には遺産分割協議書が必要となります。そのための戸籍収集や専門家の報酬が必要となります。遺産分割協議書が完成した後、法務局へ登記申請する際に大きくは次の費用がかかります。

①登録免許税
 市町村役場で取得する固定資産税評価証明書に記載されている評価額に一定の割合をかけた額
  相続人の場合の相続登記:評価額×0.4%
  相続人以外の人が遺贈によって取得した場合:評価額×2%

②専門家へ支払う報酬
 登記を業務として行える専門家は司法書士と弁護士です。現実的には登記を扱う弁護士は少ないですから司法書士に依頼します。登記の内容によって違ってきますが5万~15万円位を想定しておけばいいでしょう。なお、ホームページなどに記載されている報酬が戸籍収集や遺産分割協議書作成の付随業務まで入っているのか別なのかは確認する必要があります。

相続登記は自分でできるのか

 結論からいいますとやっている人はいますのでできます。やり方を説明しているホームページもありますから、①時間があり②様々な手続きが得意で③法務局に近くて何度も行ける方で④単純な登記の場合は可能でしょう。ただし、登記は「この不動産は自分の物だ」と主張するための大切な手続ですから、できる限り専門家に依頼したほうが安全です。アレンジライフ行政書士事務所には提携司法書士がいますのでご相談も可能です。

銀行(預貯金)の相続手続

金融機関への連絡
 銀行などの金融機関は口座名義人の死亡を知ると口座を凍結します。銀行員が町内の掲示板で知ったり、取引先から聞いたりしても凍結されます。いつまでに連絡しなければいけないかということは決まっていませんが、一般的には、相続人の戸籍が集まり、相続財産を調べるために銀行へ残高証明書を依頼するときに死亡を伝えることになります。ただし、会社の経営者、銀行から借り入れがある、銀行口座を管理している相続人が信用できないなどの場合は早期に連絡することが重要です。

必要書類の準備
 遺言書がある場合、遺産分割協議書がある場合、遺言書も遺産分割協議書も無い場合で必要書類が違ってきます。金融機関へ連絡したときに状況を伝えると必要書類を教えてもらえます。

書類の提出と払い戻しの手続
 預貯金を相続する相続人が必要書類を提出し払戻しを受けます。

遺産分割前の相続預金の払戻し制度
 遺産分割前であっても被相続人の銀行口座から、一定額まで引き出すことができる制度です。被相続人が亡くなった後は葬儀などの費用が必要になりますが、銀行口座が凍結されると相続人がそれらの費用を負担しなければなりません。しかし、遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用すれば、被相続人の銀行口座から預金を引き出し、葬儀などの費用にあてることができます。

<相続人が単独で払い戻しができる額>
相続開始時の預金額×1/3×払い戻しを行う相続人の法定相続分
この場合に引き出すことができる金額は、同一の金融機関で150万円が上限となります。複数の銀行がある場合は各150万円が限度となります。

預貯金の注意事項

・死亡後に預貯金を引き出すと相続を単純承認したとみなされ相続放棄ができない状況になります。
・口座が凍結されると入金もできなくなります。家賃の振込口座となっている場合は借主の振り込みが不能となりますので振込先変更の案内が必要です。
・引落しも出来なくなります。電気・ガス・水道・固定資産税の引き落とし、NHK受信料、カードの引き落としが考えられます。早めにコンビニや振込への変更手続が必要です。
・死亡後にATMで引き出しを行うことは絶対にやめましょう。銀行との規約違反となります。他の相続人とトラブルになる場合もあります。どうしても必要な場合は遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用してください。

銀行口座を解約して相続人へ振り込む手続を専門家に代行依頼する
 行政書士や司法書士が相続手続きとして銀行の手続を代行するサービスを提供しています。一般的には相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書作成の流れの中で受託する場合が多いです。体が悪くて銀行手続きが困難、複数の銀行手続きが煩わしい方は依頼してみてもいいでしょう。

自動車の相続手続き

 死亡した方が自動車を所有していた場合、相続人が引き続き使う、売却する、廃車するに関わらず必ず名義変更が必要です。期限や罰則はありませんが早めに名義変更しておくことをお勧めします。なお、名義変更する窓口は新しい所有者が利用する所在地を管轄する運輸支局です。

新しい所有者を決める
 遺言書に自動車を相続させる者が来刺されている場合、遺言書を添付して名義変更の手続きをします。遺言書が無い場合は遺産分割協議で決めます。作成された遺産分割協議書を添付して手続をします。なお、自動車が100万円以下の場合は「遺産分割協議成立申込書」という簡略化された手続きがあります。この遺産分割協議成立申込書では相続人全員の実印は必要ありません。

警察署で車庫証明を申請する
 名義変更手続時に車庫証明が必要になりますので新しく利用する所在地を管轄する警察署に車庫証明を申請します。

運輸支局で名義変更の手続をする
 必要書類は新しく所有する相続人の人数によって変わってきます。事前に運輸支局で確認してください。なお、自動車の名義変更を業として行う専門家は行政書士です。平日の手続が難しい方などは行政書士に依頼することも検討してください。費用は2万円前後です。

相続手続きの無料相談会を開催しています。お気軽にご参加ください(要予約)。お時間の合わない方、お体の事情で外出できない方などは無料相談会に加え、志木市や新座市、和光市をはじめ埼玉県や東京都内への出張相談も行っています。

相続手続きの無料相談会と個別の出張無料相談を行っています。

当相談所は、遺言作成、相続発生後の手続に関して、何をいつ始めたらいいのか教えて欲しい、誰に相談していいか分からないという方向けに、まず最初に、相談員がお客様の状況やお気持ちをお伺いし、お客様の課題の整理を行い、必要な手続きのご案内をしています。また相続や遺言では専門用語が多く理解できない方が多いため、アレンジライフ行政書士事務所ではできる限り専門用語を使わないでご説明します。なお、下記の通り出張無料相談も行っています。

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