遺言書が無く、相続人が確定し、相続財産を調べ終えると相続人同士で相続財産をどのように分けるかを話し合います。これを遺産分割協議といい、決定した内容を書類にしたものを遺産分割協議書といいます。遺産分割協議は必ず相続人全員で行い、1人でも欠けた状態で行った遺産分割協議は無効です。
相続人に未成年者や認知症などにより判断能力が低下している人がいる場合
未成年者の場合は法定代理人である親権者(父母等)が未成年者に代わって遺産分割協議に参加することになります。ただし、親権者自身が未成年者とともに共同相続人である場合は、家庭裁判所に特別代理人を請求し、選任された特別代理人が未成年者の代理人として遺産分割協議を行います。
父親が亡くなった時に母親が認知症だったということはよくあることです。認知症により判断能力が無い状況ではご本人は遺産分割協議に参加することができません。その場合は家庭裁判所に成年後見人を申し立てて、選任された成年後見人が遺産分割協議に参加します。
なお、未成年者や成年被後見人に法定相続分に該当する財産を承継させることが求められます。
不動産の遺産分割 不動産相続登記の前に
預貯金や現金は複数の相続人がいても分けることも簡単ですが、不動産はトラブルになりがちなので注意が必要です。とりあえず相続登記だけ依頼することは不動産によっては注意が必要です。なぜ不動産がトラブルになりがちなのかと不動産の4つの分け方を解説します。
不動産の相続がなぜトラブルを生みやすいのか
多くの家庭において一番価格が高い残債でありながら、不動産のことを理解している方はほとんどいません(相続専門と表現している専門家も不動産実務はほとんど知識がありません)。不動産は各種法律や条例によって利用規制があり思った利用ができない場合があります。また、違法建築、ご近所トラブル、境界争い、私道など多種多様な問題を抱えやすい財産です。そのうえ、不動産の価格というのは経済状況や社会情勢によっても大きく変動します。たまたま高く売れるということもよくあることで、相続人間で意見や思惑が違うことも少なくありません。いくらくらいなのかを共有せずに財産を分ける話し合いをするため後からトラブルになり、相続争いにまでなってしまいます。
1円単位で分けられない不動産を分ける3つの方法
不動産や自動車など現預金のように1円単位で分けられない財産は次の3つの方法で分けます。
・現物分割
・代償分割
・換価分割
次からはそれぞれの詳細をご説明します
不動産そのままを引き継ぐ現物分割
実家の土地建物を長男に、近くの駐車場を長女に、アパートを次男になど不動産そのままを分ける方法です。大きな土地の場合は、いくつかの土地に分けて(分筆といいます)相続する方法もあります。それぞれの不動産の評価に納得がいくかどうかもポイントです。
お金を支払って解決する代償分割
1人の相続人が不動産を取得し、他の相続人には不動産相続人が代償金を支払って解決する方法です。分筆できない土地や建物がある場合は不満が出にくい分け方です。ただし、不動産の評価が必要です。不動産には定価がないため、相続人間での価格の共有ができるかが重要なポイントです。また、不動産を相続する相続人に代償金を支払う資力が必要となります。
なお、代償金を受領しても贈与税の対象にはなりませんが(相続税の対象にはなる)、遺産分割協議書に代償分割により代償金を支払う旨の記載が必要です。
売却した代金をわける換価分割
最近は実家が空き家になってしまう方が多く、売却して代金を分ける換価分割が増えています。換価分割では不動産を売却(まさしく時価)してしまうので相続人間の評価額の違いは問題になりませんが、法律や各種トラブブルによって想定していた価格にならないという事は多いです。遺産分割協議時にはどれくらいで売れるかということは不動産会社に調査してもらい、実査定書により共有しておく方がいいでしょう。
なお、換価分割は相続財産を売却するため譲渡所得税が発生します。亡くなった方が住んでいた家(空き家)を売った時は条件により所得金額から3000万円を控除する特定があります。使えるかどうかで手取りが大きく違ってきますので、こちらも遺産分割協議時には条件にあうかどうかを調査しておくことをお勧めします。
不動産を分けない方法 共有
分け方が決められないときや話し合いができない場合は「とりあえず共有」する場合もあります。
共有の一番の問題点は不動産の利用、修繕、処分などで共有者の同意が必要となる場合が多い事です。また、共有者が死亡すると共有持分が相続され、よく知らない親族と共有となったり更に細分化されて同意を取ることが困難になります。
このような問題が多く発生していることから、不動産の共有はやめた方がいいとテレビや雑誌でも取り上げられています。
遺産分割協議のまとめ
以上のように不動産の遺産分割は専門的な知識が必要となることが多いですので、分け方で困ったときは早めに不動産の実務知識がある専門家に相談してください。
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