震災時の 応急危険度判定 と 被害認定調査
熊本の地震ではまだ余震が続いているようですね。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
さて、被災当初ニュースで混乱した様子が伝えられた「応急危険判定」とはなんでしょうか。被災地の建物には赤(危険)黄(要注意)緑(調査済)のA4の紙が貼り付けられます。一般の方にはなじみのない言葉ですが、応急危険度判定は、余震による建物の倒壊などから人命にかかる二次的災害を防止するために地震直後に実施する現地調査です。民間の建築士などを対象に応急危険度判定士として都道府県が養成し、被害が発生するとボランティアで現地判定する仕組みです。当然、応急危険度判定士も被災している可能性もあり、また広範な被害が発生すると地元の応急危険度判定士だけでは足りないので日本中から応援に行きます。熊本の地震でも関東地方からも多くの応急危険度判定士がボランティアに行ったようです。
判定結果は建築物の見やすい場所に表示され、居住者だけでなく、付近を通行する歩行者、災害ボランティアなどに対しても、建築物の危険性について情報提供するのですが、対象建物は何ともなくても、隣の家が倒れ掛かっている、大きな看板が落下しそうな場合などは、注意や危険と判断される場合があります。危険な理由が書いてありますので必ず読んでください。
私自身も応急危険度判定士として登録しているのですが、活躍しないことを祈る資格というのも不思議ですね。
もう一つ同じような名前で、「被害認定調査」というものがあります。これは、建物所有者からの申請により、被災した住宅の被害の程度(全壊、半壊など)を行政が認定するために実施するものです。
認定結果に基づき、被災者に交付された罹災証明書は、被災者生活再建支援金や義援金の給付、住宅金融支援機構や災害援護資金の融資、税金や保険料の減免・猶予、応急仮設住宅の入居条件などに利用されます。
その他にも損害保険会社への申請が必要ですが、これも自己申告となります。
時間が経ち落ち着いてきたからと被災した建物を修理したり片づけたりしますが、罹災証明や損害保険会社の手続きは自己申告ですから、手続きを済ませてから、または、損害箇所の写真を撮っておくのを忘れずに。